葉酸の知識

妊娠前から葉酸を摂取するのはなぜ?知っておくべき障害との関係性

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妊娠初期には、葉酸を摂取することが良いと言われています。そうすることで、赤ちゃんが五体満足で生まれてくる可能性がアップするからです。

でもこれは、実は正確なことではありません。いえ、葉酸が妊娠初期に重要な役割を担うのは事実です。しかしその効果をしっかりと得るためには、妊娠前から摂取しておく必要があるのです。

妊娠してから摂取を始めたのでは手遅れ…というわけではないですよ。妊娠初期に葉酸を摂取していれば、ある程度の効果を得ることはできます。

でも、妊娠前から十分に摂取していた場合。赤ちゃんが健康体で生まれてくる可能性がさらにアップします!

「妊娠してから摂取を開始して、幾ばくかの効果を得るか。」
「妊娠前から摂取しておいて、よりしっかりと赤ちゃんを守るか。」

あなたは、どちらを選びますか?

妊娠前に葉酸を摂取するメリット

妊娠前には、1日に640μgの葉酸を摂取することが大事です。

具体的には、

  • 食事から240μg
  • 葉酸サプリから400μg

この量を目安として摂取するのです。妊娠の計画を立てたら、すぐに摂取を開始しましょう。そしてその後、1~3ヶ月ほど経過してから妊娠することが理想的です。

それだけの期間、毎日640μgの葉酸を摂取していれば、女性の体では、卵巣機能が向上します。これにより、排卵日には成熟した上質な卵子が出やすくなります。

そして上質な卵子は、受精卵となった後、五体満足の赤ちゃんとして成長していく可能性が高いのです。

正確には、

  1. 染色体異常
  2. 神経管閉鎖障害
  3. 発達障害

赤ちゃんが、これらの障害を負うリスクが低くなります。

染色体異常は、一生改善されない障害

妊娠前の葉酸摂取により、受精卵の染色体異常は防がれやすくなります。染色体とは、細胞の遺伝情報が詰まった生体物質です。

受精卵は、誕生したその瞬間から、細胞分裂をして成長していきます。細胞分裂は、染色体が持つ遺伝情報を基に行われます。

そのため、もしも受精卵の中で染色体異常が起こると、正しく成長できなくなります。間違った情報を基に、おかしな細胞を延々と作り出してしまうことになるのです。これが、いわゆる奇形症候群の原因となります。

奇形症候群とは?

奇形症候群には、

  • ダウン症候群(21トリソミー)
  • エドワーズ症候群(18トリソミー)
  • パトー症候群(13トリソミー)

などがあります。

それぞれ、顔立ちや指先などに特徴的な奇形が現れます。

  1. つり上がった小さな目
  2. 裂けている唇や上顎
  3. 位置が低く折れ曲がっている耳
  4. 本来よりも本数の多い指

こういった外見上の特徴です。さらに、心疾患や臓器の異常を伴うことも多くあります。そのため健康状態を維持できず、妊娠中に流産または死産となってしまうことも少なくありません。

生まれてきたとしても、長く生きることは難しいと言われています。特に、エドワーズ症候群やパトー症候群として生まれてきた赤ちゃんは、1歳まで生きていられる可能性が10%未満なのです。

その後も生き続けることができたとしても、各障害は改善されません。染色体に問題がある以上、生きている間はずっと、問題のある細胞が作られ続けるのです。

しかし妊娠前に葉酸を摂取していれば、染色体異常は防がれやすくなります。お母さんの卵子自体が、元気で上質なものなのですから、そこから誕生した受精卵も、高確率で良い状態になります。

元気いっぱいに、正しい染色体を作り続けてくれますよ。

神経管閉鎖障害により、脳や下肢に問題が

エコー

染色体が正しくても、細胞分裂はうまく進まないことがあります。必要な細胞がスムーズに作られず、不足してしまうのです。

すると赤ちゃんの体は、あちこちが形成不全という状態になります。そして、やはり障害を持って生まれてくることになります。

形成不全で特に問題とされているものが、神経管閉鎖障害です。神経管とは神経の根のようなものです。

ここから脳や脊椎が作られます。そのため神経管がうまく作られなければ、必然的に脳や脊椎もきちんと作られません。

これにより赤ちゃんは、

  • 無脳症
  • 二分脊椎

の、どちらかになります。

無脳症とは?

無脳症とは、文字通り脳のない状態です。脳だけでなく、それを守る頭蓋骨も形成されません。

そのため見た目は、頭頂部や後頭部を大きく欠いた状態となります。もちろん生存能力もなく、多くの場合はお腹の中で力尽きてしまいます。

約75%は、死産となるのです。

生まれてきても、1週間以内に生命が失われることがほとんどです。

二分脊椎とは?

一方二分脊椎の場合は、脳がきちんと作られますし、長く生きることも可能です。ただし、特別なサポートが一生必要となります。なぜなら脳が作られていても、それとつながる脊椎がうまく作られていないからです。

そのため脳からの指令が体にうまく伝わらず、下肢を中心に様々な問題が起こってしまいます。たとえば、足をうまく動かすことができないので、自立歩行が困難となります。移動には、車いすなどの器具を使うことになります。

排泄障害も起こります

尿や便を自力でスムーズに出すことができないので、取り出すためにやはり専用の器具を使用しなければならないのです。このように神経管閉鎖障害となれば、たとえ染色体に問題がなくても、健康体で生きることが難しくなります。

しかしこれも、妊娠前の葉酸の摂取によって、防がれやすくなります。葉酸のサポートで、正しい元気な細胞が次々に作られるからです。すると神経管だけでなく、体中の組織が形成不全を回避しやすくなりますよ。しっかりと物を考えることができ、豊かな感情を持つ子供。

元気に走り回り、自分のことを自分できちんとできる子供。赤ちゃんが、このような健康優良児になれるかどうかは、妊娠前の葉酸摂取にかかっていると言っても過言ではありません。赤ちゃんの健やかな人生のために、ぜひ葉酸は、妊娠前から積極的に摂取しておきましょう。

発達障害で、苦悩の多い人生になることも

泣いてる赤ちゃん

染色体が正しく作られ、なおかつ神経管に問題がなければ、赤ちゃんは高い確率で元気に生まれてきます。しかし健康体でも、生後数年が経過してから、問題が露見することもあります。

行動面や情緒面などにおける発達の遅れ…いわゆる発達障害です。これは、脳の機能の一部がうまく働いていないことが原因とされています。脳自体はきちんと作られていても、十分に機能しない箇所があるわけです。

発達障害には、大きく分けると以下の4種類があります。

  1. 自閉症
  2. アスペルガー症候群
  3. 注意欠陥多動性障害
  4. 学習障害

自閉症とは?

広汎性発達障害のひとつです。広い分野で、発達の遅れが見られます。たとえば状況や言葉の意味を理解しにくかったり、じっとしていることができず絶えず体を揺さぶったりします。特定の物事に強くこだわりを持つという特徴もあります。

アスペルガー症候群とは?

自閉症と同じく、広汎性発達障害のひとつです。自閉症と異なり、言葉や知能における発達の遅れはなく、むしろ知能が通常よりも高いこともあります。

しかしコミュニケーションが不得手で、相手の気持ちを正しく察知できません。そのため状況に適した行動をとることができず、社会とのかかわりが困難となります。

注意欠陥多動性障害とは?

ADHDとも呼ばれています。不注意で物忘れが多かったり、落ち着きがなく動き回ったり、衝動的な行動をとったりします。

知能、コミュニケーション能力そのものには問題がありませんが、この不注意や衝動性から、やはり社会でスムーズに生きていくことが難しくなります。

学習障害とは?

これは、特定の分野における発達の遅れです。たとえば活字を読むこと、漢字を書くこと、計算することなどです。

知能の遅れは基本的になく、苦手分野以外のことは問題なくこなすことができます。ただし、ひとつの分野ではなく複数の分野が苦手というケースもあります。

このように、発達障害には様々なものがあるのです。いずれの場合も、染色体異常や神経管閉鎖障害のように、生命や肉体における大きな問題はありません。

原因が、脳のほんの一部の機能障害にあるからです。しかし学校や会社などでの集団生活に与える影響は、決して少なくありません。

中には発達障害を苦に、自ら死を選ぶ子供もいるのです。もちろん本人だけでなく、家族を始めとした身近な人々も、少なからず影響を受けることになります。

こういった苦悩の多い人生を回避するためにも、妊娠前には葉酸をしっかりと摂取する必要があります。染色体や神経管をも正しく作らせる力のある葉酸。妊娠前から摂取していれば、当然脳も正しく作られやすくなりますよ。

葉酸の必要性に気付くこと

医者

このように葉酸は、赤ちゃんの健やかな発達を促してくれる栄養素なのです。そのため産婦人科では、妊婦さんへの葉酸摂取が推奨されています。

また母子手帳にも、葉酸摂取の必要性が記されています。さらに、当サイトのような葉酸系の情報サイトも増えてきています。

しかし、多くの女性は妊娠してから産婦人科を受診します。もちろん母子手帳も、妊娠判明後に渡されることになります。

情報サイトも、妊娠してから見るという人がほとんどです。そしてその時になって初めて、葉酸摂取の大切さに気付くのです。

この場合、妊娠前には十分な量の葉酸を摂取できていません。食事である程度は摂取していても、葉酸サプリは飲んでいないということが多いのです。

もしもあなたが、まだ妊娠していない段階でこのページを訪れたのなら。あなたと、将来あなたから生まれる赤ちゃんは、とても幸運ですよ。

なぜならあなたは、葉酸の必要性にいち早く気付くことができたわけですから。妊娠前から、必要な量をしっかりと摂取できます。

すると赤ちゃんは高い確率で、心身健やかな状態で生まれてきます。もちろん、それが幸せに直結するわけではありません。先天障害があっても、幸せに生きている人も大勢います。

でも、

将来、障害のある子供が生まれたらどうしよう…

流産や死産が怖い…

このような不安を抱いているのなら、すぐにでも葉酸の摂取を開始しましょう。

葉酸はきっと、あなたの心を軽くするために役立ちます。

妊娠前の葉酸摂取についてのまとめ

新生児

妊娠前には葉酸を、

  1. 食事から240μg
  2. 葉酸サプリから400μg

これを目安に摂取しましょう。妊娠してからではなく、妊娠する1~3ヶ月前から摂取するのです。そうすることで、元気な赤ちゃんがお腹に宿る可能性が高くなりますよ。

具体的には、

  • 染色体異常(ダウン症など)
  • 神経管閉鎖障害(無脳症など)
  • 発達障害(自閉症、学習障害など)

これらのリスクが低下します。多くの女性は、妊娠が判明してから、葉酸の摂取な摂取を開始しています。この場合も、上記の障害は防がれやすくはなります。

しかし妊娠前から摂取した方が、防止の可能性は高くなります。妊娠を計画しているのなら、どうかいち早く葉酸の摂取を開始してください。

それが、まだ見ぬ我が子の人生を大きく左右することになるのですよ。

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